「「嫌消費」世代の研究 経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち」(はてな年間100冊読書クラブ 49/100)
「嫌消費」世代の研究――経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち
- 作者: 松田久一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/11/13
- メディア: 単行本
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- 現代の若者は、消費しない「嫌消費」世代
モノがあふれている現代、最近増えていると言われている
「モノを欲しがらない若者」について、、取りまとめた本ですね。
世代を軸にして、現代の若者(バブル後世代)と
新人類世代、団塊の世代等を比較し、
いわゆる現代の若者は、積極的な消費傾向が見られないことを
データによって証明していますね。
その理由として、本書では、
「周りにモノがあふれすぎて、欲しいものが見つからない」ことや、
「バブル崩壊などによる就職難で、収入が減ってしまったこと」
「少子高齢化社会が進む中で、不安定な老後に備えてお金を貯める」
現代の若者には、このような傾向あるとしています。
まぁここまでは、普通の分析かなという感じがしますが、
就職難等から、現代の若者たちは「劣等感」を持ち、
その結果「嫌消費」に走っている、という展開は
少々どうなのかな、という感じがしますね。
若者たちが劣等感を持つようになってしまった原因である、
就職難や少子高齢化といった社会現象は、
若者自身の(世代の)責任ではなく、
より年上の世代が引き起こした現象ですよね。
やっぱ「いまどきの若い者は」といった論調から
抜け出していないのではないかと思います。
- マーケティングの視点から見てしまうと、嫌消費=悪になりますね‥
また、マーケティングの視点を取り入れているため、
「消費は善であり、嫌消費は悪である」といった
論調になっているのも、どうかと思います。
確かに、マーケッターにとっては、
モノが売れなければ商売上がったりですから、
「嫌消費」を批判したくなるのも、
解らないではないですけど。
「嫌消費」は、モノを大切にすることにも繋がるので、
環境破壊とかそういった面において、
メリットが大きいはずでもありますからね‥
私も実は、クルマにこだわりは持っていないですから(笑)
比較的この「嫌消費世代」的なマインドに
近いのかもしれないですね。
だからこそ、「嫌消費」は良くない、
という感じで結びつける風潮に、
異を唱えたくなるのかもしれません。
あと、関連はあるのでしょうけど、
「世代論・世代の理論」について、
外国の学説の解説など、結構ページが割かれていますが、
ここは少々読みにくいというか、
読んでいて違和感がありましたね。
著者の専門分野なのかもしれませんが、
一般的な学説には、あえて触れなくても
良かったのではないでしょうか。