「彩雲国物語 暗き黄昏の宮」(はてな年間100冊読書クラブ 91/100)

  • 怒涛の最終章、国王の前には難問揃いって感じです…(^^;)

まさに「怒涛の最終章」という感じの展開ですね。
主人公の紅秀麗には、その出生の秘密と激務から来る
体調の悪化により、遂に倒れてしまいますね。
そして朝廷内の権力闘争では、
国王派に不利になるような展開が、着々と進んでいます。
その上、蝗の害が目前に迫っていることが判明して…という感じで、
国王・劉輝にとっては、目の前は難問揃いですね。
ただ、そんな劉輝と劉輝派のメンバー達ですが、
こんな時だからこそ、劉輝の、そして秀麗の
力になってあげて欲しいところなのですが、
今回は皆揃って、パッとしないですな…(^^;)
こんな状況なので、国王側は対応も打ち出せません。
藍楸瑛が自ら縹家に乗り込んだ、位でしょうか。
李絳攸や静蘭など、もう少し気が利いたと思うのですが…

  • 最後まで頑張る主人公、秀麗

そんな中で、秀麗は、自らの命を狙っている
「敵」の本拠地である縹家に、自ら乗り込みますね。
そこで、自らの体調と、官吏としての役割など
色々と考え、結論を出そうとしていますね。
その結論は次巻で、ということなのでしょうけど、
国王側のメンバーが、今回精彩を欠く中で、
最後の最後までひたむきに頑張る彼女の姿は、
胸を打つものがありますね。
主人公の秀麗は、最初からここまでずっと
一生懸命働き詰めだった、という感じです。
これで浮かばれない最後だったら、あまりにも気の毒ですね…

  • シリアスな展開になり過ぎてしまった、「第2期」

国王側は、既に詰んでしまっているような感を、
受けてしまうのですが…ここから果たして、
どのような展開を見せるのでしょうか…?(^^;)
秀麗や劉輝など、本シリーズをずっと読んできている身にとっては
愛着のあるキャラなので、不幸に終わらせることなく
ハッピーエンドを迎えてあげて欲しいものですけどね…
この「彩雲国物語」シリーズ、10巻までの「第1期」は
ブコメ要素もありながら、ほのぼのと進むという感じでした。
その雰囲気が好きだった私にとっては、
11巻以降の「第2期」は、あまりにシリアスな展開に
なり過ぎてしまったかな、という印象を受けますね。
「怒涛の最終章」の本巻で、その第1期からの登場キャラの
存在感が思いっきり薄かったですね。第1期と第2期で、
ストーリーの雰囲気が変わってしまった、証明かと思います。
まぁもっとも、そんなシリアスな第2期を象徴するような
キャラである陸清雅は、本巻では全く登場しませんでしたが…(^^;)
個人的には、第1期の雰囲気が好きだったんだなぁ、
と今改めて実感したりしています。