「やさしいため息」(はてな年間100冊読書クラブ 74/100)

やさしいため息

やさしいため息

  • コピー&ペーストの毎日が続く日常生活

先日読んだ、芥川賞受賞作「ひとり日和」と同じ、
青山七恵さんの作品ですね。
「主人公はごく平凡なOL、その主人公が、
4年ぶりに風来坊で奔放な性格の弟と再会します。
「同居人の「観察日記」をつける」ことを癖とする、
ちょっと変わった弟と、その弟が連れて来た友達によって、
主人公の平凡過ぎる毎日に、ちょっとした変化が…」
という感じのストーリーですね。
弟の「観察日記」によって、
「自分が毎日、「前日のコピー&貼り付け」のような、
平凡な毎日を過ごしていることに気づかされる」
というところは上手いですね。
確かにサラリーマン、OLの毎日(特に平日)は、
自分で意識して変化をつけるようにしないと、
毎日コピー&ペーストの日々が、続いてしまいがちですからね。

  • 比較的地味な主人公が多いですね、でも親近感を覚えたりとか(笑)

あと、「ひとり日和」もそうでしたけど、
青山さんの小説の主人公って、比較的地味な女性ですよね。
今回の主人公も、「コピペの毎日」を送っているOLですし(笑)
「ひとり日和」の主人公は、フリーターで将来に希望を見出せない、
という設定でしたね。でも、その分自分に近いためか(苦笑)
なんだか、そんな地味な主人公に
親近感を覚えたりもしてしまいます…(笑)
私も、平日はコピペの毎日って感じですからね。
そんなコピペの毎日を送る主人公ですが、
次第に、弟が連れてきた友達(緑くん)に引かれていきます。
主人公・緑くんの両方とも不器用なんですよね。
なかなか仲が深まらずに、読んでいて非常にもどかしく、
やきもきさせられてしまいますね。
また、主人公は職場の人づきあいに踏み出したりもしますが、
これも順調には進みませんね。人間関係ってほんと難しいな、
と私も実感させられているので、
主人公の気持ちが、よく実感出来てしまいました…