「汚名 国家に人生を奪われた男の告白」(はてな年間100冊読書クラブ 31/100)
- 作者: 鈴木宗男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/03/27
- メディア: 単行本
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- 悪人かと思っていましたけど(笑)、ひょっとすると冤罪…?
本書は、著者の鈴木宗男さんが、
自身の逮捕から、拘留中、そして政界復帰までの様子を
綴った本ですね。この本を読む前は、
宗男さん自身のアクの強いところや、
北方領土の「ムネオハウス」が話題になったりしたこともあり、
「ムネオは悪人、犯罪者」と思っていました(笑)
しかし、この本を読んで以降は、「必ずしも、
ムネオは悪人ではないのでは、ひょっとすると冤罪では…?」
と思いはじめたりしました。
その、宗男さんが逮捕・拘留され、
独房に閉じ込められている時期の記載内容は、
なかなか衝撃的というか、インパクトがありましたね。
普通の人なら参ってしまって、「嘘でもいいから
楽になれるのなら、自白してしまう」といったことが
起こり得るかもしれません。足利事件の菅家さんも、
こんな経緯で嘘の自白をしてしまったのでしょうか…
- 「国策捜査」は実際にある…?
政権交代が起こった、09年8月の衆議院選挙前に、
民主党の小沢一郎党首(当時)が、
西松建設からの献金問題で、辞任に追い込まれたことがありました。
あの時に、自民党の二階俊博氏も
同じ西松建設からの問題を抱えていましたが、
小沢さんには捜査が及び、二階さんには及ばなかったということで、
「この差は国策捜査では?」と言われたことがありましたね。
宗男氏の場合も、この「国策捜査」で、
当時宗男氏と対立していた外務省の意向を受けた
検察によって陥れられた、可能性があるようです。
上記の小沢さんの例がありますから、
「国策捜査」、宗男さんの件でも、
実際にあったとしても不思議ではないですよね。
- 外務省はやりたい放題の「伏魔殿」
宗男氏によると、外務省は外交機密を盾にして
特権や機密費の使用など、やりたい放題だそうですね。
他省庁の要求予算に対して、激しく抵抗を見せる財務省も
外務省の機密費については、外務省側の言いなりだそうです。
そんな外務省について、田中真紀子元外務大臣は
「伏魔殿」と呼んでいましたが、
宗男氏もこの本の中で、「伏魔殿」という言葉を使っていますね。
真紀子さんと宗男さんは、嘗ては犬猿の仲でしたけど(笑)
仇敵が考案した言葉を使うことについて、
今や抵抗は無いようですね…(笑)
- 外務委員長に就任、今後の活動は…?
宗男氏は、逮捕前は北方領土返還に向けて
「お互い認め合った」外務省の佐藤優さんと一緒に、
精力的に活動している様子が、この本にも書かれています。
そして、政界復帰後は、復帰前と同じく
質問主意書を積極的に提出していますね。
民主党政権では衆議院の外務委員長に就任していますが、
今後の活動が注目されるところです。
もっとも宗男氏、現在裁判中&上告中であり、
最高裁判所で有罪が確定すると、失職することになりますが…