「下流社会 第2章 なぜ男は女に負けたのか」(はてな年間100冊読書クラブ 37/100)

下流社会 第2章  なぜ男は女に“負けた

下流社会 第2章 なぜ男は女に“負けた"のか (光文社新書)

  • 引き続き著者の主観に基づいた、統計資料を基にしている内容

同じ著者の前作「下流社会」は、サンプル数の少ない
統計調査を基にした、著者の主観が入りまくりの
偏った内容の著書でしたが、タイトルが
フリーター・ニート層に受けが良かったのか
売れ行きは良かったようですね。
前作に味を占めての第2弾、という感じの本ですが、
相変わらず著者の持論に都合のいい統計データを
持ち出しているような印象は否めないですね。

  • 下流層の対する蔑みのまなざしが‥

また、著者はいわゆる「下流層」を馬鹿にしているような
印象もあって、読んでいて不快になるような記述もありますね‥
まぁ「上流」「下流」といった区別をしている内容ですからね‥
下流層は、反韓・反中といったナショナリズム
走りやすい」など、著者の決め付け的な論調が
続くのは前作と同じですな。この論調に納得出来る人は
読んでいても面白く感じるとは思いますが‥
また、「なぜ男は女に負けたのか」というサブタイトルが
付けられており、本の中にも「下流女の高笑い」といった
章がありますけど、本当に三十代の下流女性が
高笑いなのでしょうか‥個人的には疑問に思います。
派遣社員など、給料が少なく生活も苦しく、
また出産のタイムリミットも迫ってきています。
男性正社員の独身者よりも、追い詰められているという感じは
強いのではないでしょうか。

  • 論理展開におかしなところも見受けられて‥

また、著者の論理に立て方については、
筋道がおかしいのではないかと、思われるところもあります。
例えば「派遣社員は社会性が低い」としている点です。
派遣社員として不安定な立場に置かれて、
また得られる収入も正社員より少ないため、
その結果友達づきあいが少なくなってしまい、
社交性が減少したのではないかと思います。
しかし、この本では、「派遣社員は正社員より社会性が低い」、
まるで、社会性が低いから派遣社員に甘んじているんだと
言わんばかりの論調ですからね‥