「森川如春庵の世界」(名古屋市博物館)

  • 森川は地元愛知県の大地主&大茶人

天気予報どおり、昨日から雨になりましたね。
私の通勤路の途中には桜並木があるのですが、
すっかり花びらは落ちてしまって、
葉桜状態になっていました。
葉桜といえば、「葉桜の季節に君を想う」でしたっけ、
そんなタイトルの小説があったような気が。
さて、日曜日は、名古屋市博物館で開催されている
「森川如春庵の世界」展を見に行ってきました。
この森川如春庵(森川勘一郎)という人物、
実は私は今日まで初耳でしたけど(^^;)
地元愛知県の大地主ながら、また大茶人でもあり、
茶器等の大変な目利きでもあった人のようです。
目利きというと、本物を見分けるという感じで
開運!なんでも鑑定団」に出てくる
中島誠之助さんのような方でしょうか(笑)

目利きという点のエピソードとしては、
森川は、国宝「紫式部日記絵詞」を発見したり
「佐竹本三十六歌仙絵巻」の切断に立ち会って
巻頭の「柿本人麻呂」を引き当てたりもしたそうです。
また森川は、年が40ほども離れていた、
三井財閥のドンであり茶人でもある
益田鈍翁(益田孝)に可愛がられたそうですね。
森川は大先輩の益田に対して、掛軸の詞書を
3回も書き直させたりと、小生意気な態度を見せたりします。
しかし、そんな森川を益田は可愛がったそうです。
益田の度量の大きさが伺えますよね。
もっとも、ただ度量が大きかったからだけではなく、
上記にあるような、森川の茶人としての才能を
益田が見抜いていたからの行動だったのでしょうけど。
今回の展示は、そんな森川如春庵ゆかりの
品々が出展されていました。
展示のメインは、森川家の遺族から
名古屋市に寄贈された品々ですが、
森川ゆかりの品で現在は他の美術館が収集している
品々も集められていましたね。

  • でも茶碗の良し悪しは、私にはまだ解らないなぁ‥(^^;)

森川如春庵については、
私もこの日まで知らなかった位ですから、
世間的な知名度も決して高くないと思われます。
また、今週が花見を楽しめる最後の行楽日和、
ということもあって、こんな良い天気の日に
インドアの博物館に来る人は少なそうですから、
今日はガラガラかな〜と思っていました。
そうしたら意外と館内は混んでいましたね‥
森川が茶人ということもあって、
茶道を嗜む人々が来ているのでしょうか。
表千家裏千家など、茶道はまだまだ
花嫁修業の一貫として健在という感があり
改めて茶道人口の多さが伺えるかな、という感じでしたね。
展示のほうも、上記の国宝「紫式部日記絵詞」が
一編だけですが出展されていました。
また、有名な本阿弥光悦の茶碗の展示があったりして、
なかなか展示自体も充実していたかな、と思いました。
森川はなんと16歳!でこの光悦の茶碗を
父親から譲られたとか‥大地主でもある森川家の
裕福ぶりが伺えるエピソードかな、と思いました。
とはいえ、茶碗の良し悪しは、
正直私にはまだ解らないですね(笑)
今回も、国宝に指定されている
志野の茶碗の展示がありましたけど、
「国宝だから有難く見える」というレベルです‥