「孤狼と月 フェンネル大陸偽王伝(1)」(はてな年間100冊読書クラブ 43/100)

孤狼と月 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)

孤狼と月 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)

  • 幸せな主人公に襲い掛かる悲劇‥RPGゲームの主人公って感じですね(^^;)

王家の一族であり、若くして指揮官として活躍し
何一つ不自由な事の無い状況の主人公のフェンベルクに
突然悲劇が襲い掛かって‥という展開の
ファンタジーノベルの第1巻ですね。
フェンベルクは信頼していた兄に突然裏切られ、
おまけに投獄されたうえ、挙句の果てには
国外追放の憂き目にあいます。
まさに悲劇のてんこ盛りって感じですな。
それまでが王家の一族&若くして指揮官として活躍、
といった恵まれた状況であっただけに、
この一気の落差が余りに激しすぎるって感じですね。
国外追放されて知らない地へ一人放り出される、
という展開は、まるでRPGゲームを
思い起こさせるところがありますね。
例えば、ゲーム序盤で主人公が奴隷の身に落とされた、
ドラクエ5」を思い浮かべてしまいました。
この小説の背景には、おそらくこういった
RPGゲームの影響もあるのかな、と思います。
ただ、そのお陰もあるのか、長編ファンタジーノベルとしての
出だしというかつかみはOK、という感じですね。
私もこの本を読んでいて、この先フェンベルクは
どうなってしまうのか、見届けたくなりましたから。

  • 挿絵は可愛いのですが、世界観と合っているかとなると‥

あと、このノベルについては、
淡いパステルタッチの挿絵が魅力的って感じですね。
この本の作者も、絵描きさんの絵に魅了されて、
絵描きさんを自ら指名したそうです。
この挿絵で魅せられた人も多いのではないでしょうか。
もっとも、私にとっては、この小説のストーリーが
この初巻は結構ハードな展開なだけに、
このユルユルな雰囲気を醸しだす挿絵は
逆に合わないのではないか、と思ってしまいました。
まぁ、ヒロインのフェンベルクが13歳という設定を考えると
この絵柄で丁度良いのかもしれませんけど‥(^^;)