「緑の午後 おいしいコーヒーのいれ方Ⅴ」(はてな年間100冊読書クラブ 138/100)

おいしいコーヒーのいれ方 (5) 緑の午後 (集英社文庫)

おいしいコーヒーのいれ方 (5) 緑の午後 (集英社文庫)

  • 星野りつ子が遂にフラれてしまい‥

おいしいコーヒーのいれ方」シリーズの第5作目ですね。
まぁ主人公の勝利とかれんの恋仲がなかなか進まないのは、
今までの巻からずっと御馴染みって感じですけど(笑)
今回はちょっとせつないシーンもありましたね。
勝利に想いを寄せていた星野りつ子に対して、
遂に勝利がかれんと恋仲である事を打ち明けてしまいます。
今までの流れからすると、星野がフラれることは
明白だったとはいえ、ちと読んでいて辛いシーンですな。

  • でもフラれたあと引きずってしまうのは後味悪いかも‥

この書評を書いている時は、このシリーズは実はもう
7作目の「坂の途中」まで読了済みなのですが、
その7作目まで今後2巻、星野が失恋の痛みを引きずって
体調を悪化させていたりするので、
勝利ならずとも余計後味が悪いって感じがしてしまいます‥
加えて勝利は奥手で真面目な性格ですから、
星野がこういう状態のままで「かれんといちゃいちゃ」
なんてなかなか出来そうもないですよね‥(^^;)
秘密の恋を打ち明けるまでは、星野が非常に明るいキャラで
あっただけに、その後の落差が非常に痛々しいって
気がしてしまいます‥まぁこれもまた、
このシリーズの特徴である(笑)
勝利とかれんの恋仲が進展するのを遅らせることに
一役買っているのでしょうけど(^^;)

あとはサイドストーリーとして、かれんの弟・丈の
京子ちゃんとの恋物語が収録されていますね。
奥手で真面目な勝利に対して、軽く明るくがモットー(笑)
といった感じの丈ですが、京子ちゃんに対しては
グッと真面目な、本編とはちょっと違う丈の姿が
描かれていますね。彼の活躍が無ければ、
勝利とかれんが恋仲になることも無かったでしょうから、
それを考えると丈はこのシリーズの名脇役って感じですな。