「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学」 (はてな年間100冊読書クラブ 127/100)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

  • なるほど「身近な疑問からはじめる会計学

少し前にベストセラーになった本ですね。
副題の「身近な疑問からはじめる会計学」という言葉が
すんなりあてはまる本だと思います。
会計・経理が苦手とか、言葉自体に拒否反応を起こすけど、
仕事には必要だ‥といったような人にお薦めかなと思います。
標題の「住宅地を流している、売れているとは到底思えない
「さおだけ屋」がなぜ潰れないのか?」
といった理由を、会計学的な面から説明しています。
(ちなみに「さおだけ屋」が潰れない理由は、
「配達の帰りであり、追加のコストはかからない」、
あるいは「高いさおだけを売りつける悪徳訪問販売」だから。)

  • 「キャッシュ・フロー」「連結経営」「在庫回転率」など

また、身近な疑問から始める例として、
飲み会の集金が、皆からお金を集めて
キャッシュカードで支払を済ませれば、
結果的に手元にはお金が残る、という事実に着目して
キャッシュ・フロー」に言及したりしていますね。
あと住宅地の流行っていない、
フランス料理店の商売が成り立っている理由を、
フランス料理教室とのコラボレーション(「連結経営」)
に結び付けるなど、なるほど身近な例を使用して、
会計的な用語・考え方を、上手く説明していると思います。

  • でも「さおだけ屋」さんが読んだら、気を悪くしそうな記述も‥

もっとも、さおだけ屋の例もそうですけど、
あくまでも著者の推測なんですけどね。
まっとうな「さおだけ屋」さんが読んだら、
悪徳商売と結び付けられているので、
少々気を悪くしてしまうかもしれません‥
また、あくまでも身近な例に留めており、
キャッシュ・フロー計算書」などの
実際の財務諸表は出てこないので、
その分抵抗感も少ないかもしれないですね。
もっとも、私のような、経理業務を
仕事にしている立場からしてみると、
まぁ基本中の基本って感じの内容ですけど、
楽しく読むことは出来たかな、と思いました。