「貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!?」 (はてな年間100冊読書クラブ 107/100)

貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!? (PHP新書)

貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!? (PHP新書)

団塊ジュニア」「第2次ベビーブーマー」と呼ばれる、
1970年代前半世代を取り上げて、
彼らを「貧乏クジ世代」と定義づけていますね。
そのココロは、「人数が多いために受験戦争が熾烈だったこと」
それに加えて「バブル崩壊で就職活動も厳しかった」という感じで、
他世代(例えば、バブル期に就職活動をした少し上の世代)
と比べると、「貧乏クジを引かされてきた」
という被害者意識が強いから、という感じです。
ちょうど私もこの世代なので、読んでいて「なるほどそうだよな〜」
と思わされる箇所も多かったですね。
小さい頃から「沢山勉強して、良い大学へ&良い会社へ」と
言われ続けて、その通り頑張った積もりなのに、
大学受験や就職活動で苦戦を強いられてしまい
「こんな筈ではなかった‥」という思いが強いのは
私も同じでした。特に就職活動については、
バブル期の世代が「内定取りまくり」
といった話を聞いていただけに、尚更一層納得出来ない
という気持ちが強かったですね。

  • 内容的には話が色々と飛び過ぎって感じがしました‥

団塊ジュニア世代」を取り上げて、
貧乏クジ世代」と命名したところは
面白かったとは思います。ただ、本の内容的には
色々な方面に話が飛びすぎて、まとまりに欠けているような
印象を受けてしまいました。例えば唐突に
大阪万博のイメージが出来るか」といった話が出て来たり、
はたまた著者の香山リカさん自身の葛藤などが
盛り込まれていたりして。現在は精神科医として、
他人の悩みを解決する立場にいる香山さんも、
昔は自分自身色々悩んでいたんだな、という感じです。

  • 結論もあまり明確ではないような‥

また、それならば「貧乏クジ世代」がどうすれば良いのか?、
といった解決策(処方箋)も明確では無かったように思います。
貧乏クジ世代団塊ジュニア世代」が、「自分探し」にこだわる
(例えば、就職先が志望先ではなく、現状に満足できないから
といった理由で)という分析は、確かに当たっていると思います。
ただ、そういった状況下で「アンラッキーと考えて自分探しに
走らなかった」単純なタイプは、ホリエモンのように成功できる、
としているのもどうなのかな、と。
それこそそんな単純に割り切れるものなのかな‥と。
まぁ確かにアンラッキーな状況をものともせず、
チャンスを上手く掴んで成功したのは事実だとは思いますが。