「春秋名臣列伝」 (はてな年間100冊読書クラブ 94/100)

春秋名臣列伝

春秋名臣列伝

  • 読むと、春秋時代のエッセンスが感じられます

春秋時代に活躍した、英雄(というか、斉の管仲など
英雄というよりは、いわゆるブレーンとして活躍した人物)を
20人取り上げている本ですね。
この本を読むと、春秋時代のエッセンスを
掴む事が出来るかな、という感じですね。
晋の狐偃(=重耳の家臣)や斉の晏子など、
すでに宮城谷さんが小説で取り上げている人物もいますね。
やっぱこういうダイジェスト版の本よりも、
長編小説のほうが読み甲斐はありますよね。
特に宮城谷先生の小説は読みやすく、
引き込まれるものがあるので、
個人的には長編でも全く苦にならないので。
ただ、官僚の世界も同族社会ですから、
各エピソード中では、同姓で似たような名前の人物が
沢山登場するので、読み進めていくうちに
少しこんがらがったりもしてしまいますね‥(^^;)

  • 孔子に厳しい宮城谷先生‥(^^;)

あと、宮城谷先生は、孔子に結構厳しいな(笑)
という感じですね。例えば管仲など、
後に「論語」で孔子にその政治姿勢が
厳しく批判されていますけど、宮城谷先生は
「それは違うのではないか?」と、疑問を呈しています。
論語」は有名な「少年老い易く学成り難し」など、
取り上げられている事柄が絶対に正しい、
という感じで、中国や日本では伝えられてきましたけど、
そういった孔子信仰に一石を投じていますよね。
私も、孔子の言葉は少し堅苦しすぎるって感じがするので(^^;)
宮城谷先生の論調を支持したいな、という気持ちです。
しかし、春秋時代は中国大陸各地に、
様々な国家が攻防しましたけど、有能なブレーンもまた
様々な国に出現したんですね。有能な人間は、
勢いの強い国に集まったのかな、と思っていましたけど。
まぁ、有能な人材がいなければ、小さい国家は
あっという間に他国に滅ぼされてしまうでしょうから、
そういった小国にも、有能な人材がいて、
国を支えていた、ということなのでしょうね。