「こちら南極ただいまマイナス60度―越冬460日のホワイトメール」(はてな年間100冊読書クラブ 60/100)
こちら南極ただいまマイナス60度―越冬460日のホワイトメール
- 作者: 中山由美
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 南極越冬隊に同行した著者による越冬レポート
南極越冬隊に同行した女性新聞記者の著者によるリポートですね。
元は朝日新聞のWEBに掲載された記事がベースになっています。
南極モノの本では、少し前に「南極ってどんなところ?」という本を読み、
結構面白かったので、また南極の本に手を出してみました。
(感想は↓)
http://d.hatena.ne.jp/yukino77/20051212/p4
さすがは南極、想像を絶するような厳しい環境って感じですね。
この本は南極観測船の乗船から、南極大陸への上陸、
そして昭和基地や昭和基地よりも更に南にあるドームふじ基地への移動、
そして南極を離れるまでのリポートになっています。
- 限られたメンバーによる閉塞空間の中で、いがみあいもあって‥
南極の極寒の自然環境や美しいオーロラの景観などの記事も
もちろんありますけど、記載された記事を巡って、
他の隊員から怒鳴られたり、といった限られたメンバーによる
閉塞空間の中での仲間同士のいがみあいなどの記述もありますね。
ここは非常に生々しい、越冬隊の光景って感じがしました。
また、南極派遣とは別件ですが、先輩記者が解雇されたことを知って
著者はショックを受けますけど、
その内容はWEBの記事には出来なかった。。。
という現実も記されています。
なるほど、朝日新聞記者の著者による、
朝日新聞のWEBに掲載された記事を元にしたこの本が、
朝日新聞社自身から発行されず、他社発行となっていて
変だなと思ったのですが、そのあたりに事情がありそうですね‥(^^;)
- 補給が無いので、生の食材が無くなってしまう‥
本文中でも、南極でも今ではインターネットが
使えるようになったりしている記述があり、読んでいると
「南極の生活も意外と便利では?」という錯覚も覚えがちです。
しかし、「越冬隊には、次の越冬隊が来るまで補給がない」
という現実はやっぱ厳しいものがありますね。
食材は冷凍食材ばかりで、暫くすると生の食材は無くなってしまい、
解凍したら水気が抜けて、ふにゃふにゃになってしまう
キュウリなどを食べざるを得ないそうですね。
- 低音とブリザードで寒さも厳しく、移動も大変‥
そして南極といえば、冬の気候は氷点下60度+ブリザードで
まさに凄まじいようですね。ネット等生活環境が改善していても、
そんな中で暮らしていくのはやっぱ無理だな、と思いました‥(^^;)
ブリザードや悪天候などで、南極大陸では過酷な気候になり、
昭和基地からドームふじ基地への移動は雪上車を使うものの
歩くのと変わらない程度しか進めなかったりもするそうですね。
水は貴重なので、髪の毛も何十日も洗えず、
下着も替えられないそうです。私にはそんな生活は
やっぱ無理だなぁ、と実感してしまいました(^^;)
この本の著者も女性の方ですから、
そういう衛生面には、非常に苦労していたようですね。