「経営論」(はてな年間100冊読書クラブ 58/100)

経営論

経営論

オリックスグループのCEO・宮内義彦氏が書いた経営学の本ですね。
オリックスといえば、優良企業として最近は有名ですよね。
そして規制緩和に賛成的な、そして米国会計基準を導入している
オリックスですから、「日本式は遅れており、アメリカ方式が全て良し」
的な論調になっているかと思いきや、
意外とそれほどでは無かったですね。日本式経営だけではダメ、
とはいえアメリカ式を全て盲目的に取り入れるのは良いとはいえず、
日米両方式のの折衷案を取るべきだと説いていますね。
ここは少し意外でしたが、まぁ日本で企業を経営していく以上、
日本式を全部捨て去るわけにはいかないですからね。
よくよく考えれば当然のこと、という感じでしょうか。

  • プロ野球ファンとして、宮内氏は評価したくはないのですが‥

私はプロ野球ファンとして、オリックスバファローズ
(旧・オリックスブルーウェーブ)球団の
基本的には選手補強にお金をかけない経営体制について
評価していないだけに、そのオリックスのトップである
宮内氏についても、あまり評価はしていないのですが(笑)
本書を読んで、企業経営者として優れている面については
素直に認めないとダメかな、と思うようになりました‥(^^;)

  • 章末に結論(まとめ)があって便利ですね

あと、本書の特徴として、各章末に結論が付けられており、
内容の理解というか、記憶に残りやすいという点で
優れていると思います。(まぁ何度も同じ主張を読まされて、
くどいという面もあるのですが‥(^^;)
この本では、「効率の悪い官営・統制経済が、
日本経済の発展を阻害している」としています。
この点はまぁ誰もが納得出来るところでしょうね。
そのほかに、コーポレートガバナンスなど取り扱っています。
コーポレートガバナンスについて、
政治学の先生や評論家の方々による著述は
本などで目にする機会が多いですけど、
実際の経営者の手による著述は珍しく、
現実味に溢れていて、その点は興味深かったですね。