「クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い」(はてな年間100冊読書クラブ 39/100)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

  • 3巻→1巻と順番は逆になりましたけど、西尾維新さんのデビュー作

先日3作目の「クビツリハイスクール」を既に読了していますけど
(感想は↓)
http://d.hatena.ne.jp/yukino77/20060223/p3
今回の「クビキリサイクル」は、その「戯言シリーズ」の第1作ですね。
と同時に、西尾維新さんのデビュー作でもある作品になりますね。
今回の作品は、「絶海の孤島に住む令嬢が、
様々な分野の「天才」を招いたところで、
殺人事件が発生する‥」というストーリーです。
そして「戯言遣い」の主人公が、見事に事件を解決したかと思いきや、
最後にはその主人公の自身を大きく覆すことになる、
大どんでん返しが待ち受けていた‥という感じですね。
ここは読んでいて、主人公ならずとも「やられた!」という気がしました。

  • 西尾維新さんは独特の、少しくどめの文体ですね‥

主人公が「戯言遣い」だけあって、文章は独特な感じですね。
合う人もいれば合わない人もいると思います。
(個人的には、ちょっと表現がくどすぎる感じがあって、
この点はもう一つですね‥ただ、「新本格魔法少女りすか」シリーズも
同じような作風なので、これが西尾維新さんの持ち味なのでし-ょう。
そういえば「クビツリ」シリーズの主人公と
「りすか」シリーズの主人公・キズタカは
世の中をシニカルに眺めている点とか、似ていますよね。
なるほどこういう点が、「未来に希望を持てない」悲観的な傾向を
持つ人が多い、ライトのベルの読者層に向いているため、
西尾維新さんは人気が出ているのかな、という感じがしました。
ライトノベルにしては、この本は分厚く、
また各ページに文字が沢山詰め込まれているので、
とっつきにくさを感じさせる面があるかもしれません。

  • 様々な分野の「天才」が個性的な行動で盛り上げますね

しかし、今回の作品は、様々な分野(絵画・占い・工学など)の「天才」
が登場して、彼女たちが非常に個性的なため、
そのインパクトもなかなか強烈って感じですね(笑)
登場人物の個性的言動が、物語の面白さに魅力を加えている、
という感じがしますね。占い師は主人公に喧嘩を売ってきたりして‥
また、彼女達「天才」の言動も、くどいというか、
主人公の「戯言系」の延長線上にあるような気がしたりしました。