「クラッシュ・ブレイズ ヴェロニカの嵐」(はてな年間100冊読書クラブ 31/100)

  • 今度は校外学習先で遭難騒動に

茅田砂胡さんの「クラッシュ・ブレイズ」シリーズの3巻目ですね。
今回は「校外学習」に出掛けたリィ&シェラと
同行の学生達が巻き込まれた遭難騒動、
といった感じでしょうか。
無人の惑星に取り残された一行、普通の中学生なら
とても生き延びられないところでしょうけど、
リィとシェラにとってはノープロブレム、といった感じですね。
しかし、今回の遭難は2人だけではなく、同行の学生たちもおり
また特定の食べ物が食べられない宗教の信者の学生もいたりして、
彼らと共に生き延びなければならないサバイバル生活は
学生たちはもちろん、リィやシェラにとっても
なかなか大変って感じでしたね。

学生の中には、リーダー的に頼りになる奴もいれば、
わがままでとても野外生活には向かないタイプもいたりして‥
彼らのお守り&食料調達などを
二人で一手に担うことになった、という感じです。
そんな無人惑星での生活が続く中で、発信機の信号を元に、
リィとジェームズは助けを求めに行きますが、
無人かと思われた惑星で見つかったものは
なんと密輸組織のアジトだった‥という展開でした。
ジェームスを守りながらのリィの密輸組織との戦闘、
リィは大怪我を負ってしまうのですが、
ここは「ジェームスに人を殺す場面を見せたくない」
というリィの優しさが感じられた一面だったと思います。
リィはもちろん強い力を持っていますけど、
一面でこんな優しさも見せたりするんですよね‥

  • 無事救出されて一件落着とはならず‥

遭難した一行の中には、リィはもちろん
ケリー&ジャスミン夫妻の孫・ジェームスも含まれていたため、
程なく一行は助かりますけど、しかし助かって一件落着、
とはならずに、なんとリィが裁判にかけられてしまいますね。
上記の宗教問題が原因なのですが(もっとも、今回の遭難(誘拐)事件
自体が宗教問題から発生しているのですが)
ただ、裁判においてもリィの「全員を生き延びさせるためにやったこと」
というスタンスは明確のため、程無きを得ます。
まぁ現実の世界でも未だに各地で宗教問題による紛争は
続いていますから、宗教は取り扱うのは難しいテーマですよね。
ファンタジー小説ではあまり触れないほうが良いのかな、
という感じがしました。
この「クラッシュ・ブレイズ」シリーズ、
最初は「前作「暁の天使たち」のノリでまだ続けるのか〜」
って感じで、当初は私は否定的でしたけど、
実際読み続けてみると、やっぱなかなか面白いって感じですね(^^;)
リィやルゥ・ケリーやジャスミンといった登場人物が
非常に個性的でキャラ的に立っているのが(笑)
一因って感じがしますね。