「キスまでの距離―おいしいコーヒーのいれ方〈1〉 」(はてな年間100冊読書クラブ 10/100)

おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)

おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)

  • 主人公は面倒見の良い少年、突然始まった同居生活

昨年末に読んだ「天使の卵」が
個人的にはスマッシュヒットしたので(笑)
また村山由佳さんの本を読んでみました。
今回の「キスまでの距離」は、「おいしいコーヒーのいれ方」という
シリーズ物の初刊って位置付けですね。
主人公の勝利は高校3年生、そして年上のいとこのかれんは
新社会人で勝利の高校の美術教師として赴任します。
おまけに、お互いの父親が共に転勤となるため、
子供達が一緒に暮らすことに‥という、
設定的には少しあり得ないって感じの展開ですな(笑)

  • 相手の秘密に気づいて「守ってあげたい」と思うようになって‥

この余りに近すぎる関係の二人、勝利も最初は
かれんのことは意識していなかったのですが、
(でもそこは高校3年生、随分キレイになったとか、
気にはなっていますよね‥(^^;))
かれんの抱えている秘密に気づいてしまい、
かれんを守ってあげたいと思うようになります。
このとき勝利は恋に落ちた、という感じでしょうか。
そんな二人の間に繰り広げられる恋愛模様ですが、
勝利・かれん共々見ていて非常に初々しいですね、
今時の高校生・社会人にはとても見えません(笑)
主人公の勝利は、母親と死別していることもあって、
家事一般もこなす面倒見の良い性格なんですよね。
逆にかれんのほうは幼さが残っているということもあって、
年齢差を感じさせないどころか、勝利の方が年上っぽく見えます。

  • ウブな二人、きっかけが無いと発展せず‥(^^;)

年上のかれんがリードするかと思いきや、
彼女のほうもウブなんですよね〜(笑)
実は、今回の主人公とのキスが、なんと初めてのキスだったりします。
両方ともオクテのため、展開はもどかしいって感じですね(^^;)
勝利は自分の気持ちを素直に出せず、
加えて本来なら年上のかれんがリードしても良いところですけど
かれんもまたウブなため、周りの後押しが無いと
二人の恋はなかなか前に進みませんね(^^;)
かれんの弟・丈に煽られたり(笑)、あとはかれんに思いを寄せる男
(=勝利にとってはライバル)の登場によって、
ようやく勝利も焦り始めて動き出すって感じです(笑)
いや〜手がかかるって感じですけど、周りから見ていると
微笑ましくなるってところでしょうか。
小説の舞台となっている、喫茶店のマスターが
この視点になっているかなという感じですね。
このマスターは、また何事も見透かしている人で、
勝利もかれんも頭が上がらない存在って感じです。
「あ〜、青春だなぁ。甘酸っぱい恋愛だなぁ」という感じの、
読んでいて少しこっ恥ずかしくなる(笑)恋愛小説でしたね。
私はこういう小説は好きなので(笑)読後感は良かったです。
思わず学生の頃の恋愛を思い出してしまいました(笑)