「銀行にだまされるな! 三大メガバンクの内幕」(はてな年間100冊読書クラブ 77/50)

銀行にだまされるな!

銀行にだまされるな!

  • タイトルほど一般向けの本では無いですね

タイトルは「銀行にだまされるな」とありますけど、
主な内容はUFJ銀行金融庁との攻防で窮地に陥っていく様子や、
そのUFJ銀行の救済をめぐって、
東京三菱銀行三井住友銀行が取り合いを演じた
ここ最近の「銀行業界の再編」の解説が中心の内容でしたね。
一般人向けの内容は、「銀行は今後、「口座維持費用」の徴収等で
低預金者を切り捨てて行く」という程度でしょうか。
まぁ、ペイオフ制度が本格導入されたとはいえ、
三大メガバングが潰れる事は、今の状況ではまず無いとのことで、
私はそれほど預金がある訳では無いですが(笑)
まずは一安心って感じですね(^^;)

不良債権処理が問題になっていた頃
財務力が優れている東京三菱銀行は、
健全性という点で圧倒的な評価を受けていました。
しかし、不良債権処理の目処がついて、
銀行の評価基準が財務力から収益性に変わると、
三菱グループを中心にした企業が顧客の中心となる東京三菱は
一転して厳しい状況になります。そのため、
リテール(個人・中小企業)に強いUFJに目をつけ、
窮地に陥ったUFJの取り込みを図ったようですね。
また、その状況に果敢に殴り込みをかけた、
三井住友銀行西川善文前頭取の凄さ(キレ者ぶり)が
この本を読んでいて実感出来たって感じです。
あと、旧三和銀行時代からの人事の内部抗争が
東海銀行と合併してUFJとなってからも引き継がれたり、
また金融庁の施策になかなか従わなかったりしたため、
金融庁竹中平蔵氏から厳しい態度であたられてしまって、
結局UFJは消滅してしまったそうですね‥