「鳥たちの旅―渡り鳥の衛星追跡」(はてな年間100冊読書クラブ 74/50)

鳥たちの旅―渡り鳥の衛星追跡 (NHKブックス)

鳥たちの旅―渡り鳥の衛星追跡 (NHKブックス)

  • 渡り鳥の観測にもお金がかかって‥

渡り鳥の移動ルートについて書かれた本ですね。
気候にあわせて、日本に夏に来る夏鳥(ツバメなど)、
あるいは冬に来る冬鳥(ハクチョウなど)がいますが、
それらの移動ルートを、鳥に衛星の受信機をつけて
追いかけているところがこの本のメインですね。
受信機の電池があまり保たない(気候の変化などによる)ため、
出来るだけ長い期間観測するために
常時電池をオンするわけにはいかなかったりとか、
あるいは衛星使用料が1羽1ヶ月あたり2500円ほどかかるため(^^;)
観測期間が長くかかりますから、その費用を捻出するのに
苦労されている様子なども窺えました‥
あと面白かったのは、鳥に受信機を付けるためには
鳥に近づかなければならないのですが、
近寄ろうとすると警戒されるため、
ヘリコプターで地上すれすれまで近づいて
ヘリから飛び降りるような形で捕まえる、
といった方法もあるとか‥(^^;)
捕まえるほうも、ヘリを操作するほうも命懸けって感じですな。

  • 渡り鳥の移動ルートは

そんな苦労の中でルートの追跡を行っている訳ですが、
鳥達はまるで地図があるかのように、
毎年同じ場所に戻って来たりするそうですね。
渡り鳥達は、エサが充分あるか・気候が合うかというあたりを
ポイントに滞在場所を選んでいそうですけど、
不思議って感じですよね。
また、移動の間の休憩地として、自然の湿地帯のほかに
朝鮮半島板門店付近の非武装地帯が利用されているようです。
普段人間が立ち入れない地域ですから、
かえって渡り鳥達の楽園になっているようですね。
なかなか皮肉な現象だと思いました(^^;)
一方で、海の上を飛ぶ渡り鳥の場合には、
力尽きて海に落下してしまった(と思われる)ケースもあるそうです。
本の中では、サシバという鳥が取り上げられていましたけど、
このサシバ宮古八重山地方を滞在地としており、
私がこの前宮古島に旅行にいった時に、
サシバの案内表示などを見かけたこともあって、
なんだか懐かしい思いでしたね(^^;)
サシバ八重山地方から本州方面まで渡るそうです。