「10代のぜんぶ」(はてな年間100冊読書クラブ 69/50)

10代のぜんぶ

10代のぜんぶ

  • 意外とまともな「普通の十代」

アンケートの分析結果を中心にして、
十代の考え方を分析している本ですね。
まぁ生活感が中心であり、「ぜんぶ」というタイトルは
少し大げさすぎるかもしれませんけど。
マスコミ上では凶悪犯罪の低年齢化など、
「乱れた十代」が盛んに取り上げられているため、
そのイメージが強いのですが、この本を読む限りでは
普通の高校生は結構まともなんだな〜という感じですね。
男女別にページを分けているのですが、
特に十代の男の子が全体に保守的(醒めている)ところが
印象に残りました。未来は暗いとか、あまり希望が持てないとか‥
バブル崩壊以降の「失われた十年」の停滞した雰囲気の中で、
彼らも前向きな気持ちを持てなくなってしまったのかな、
という感じがしました。彼らの親もリストラの真っ只中で、
サラリーマンも大変だな、というところなのでしょうね。

  • 著者の分析に共感というか、面白かったですね。

私は著者(1974年&1977年生まれ)の年代に近いので、
著者の分析というか反応に、共感出来たところが多かったです。
例えば、上記の十代の男の子の醒めている反応に
「自分の十代の頃はもっとバカやっていた」
と著者が書いていたりするところですね。
あと、ケータイの登場・普及が、
交友関係を大きく変えたかな、という印象も受けました。
「実際に会うよりも、ケータイでメール交換していた方が気楽」
といった考え方はは、私の中高生時代からは
想像がつかなかったですから‥(^^;)
メールという文字だけのコミュニケーションでは、
文面だけでは当人の本当の感情は読み取り辛いですから、
お互いに気を使う(気を回す)ようになっているのかな、
と思います。メールの文末に絵文字も句読点も無いと、
「怒っているのかな?」と思ったりするとか‥
私はメールする時は、そこまで気は配らないですね‥(^^;)