「思考停止企業」(はてな年間100冊読書クラブ 59/50)

思考停止企業

思考停止企業

  • リアリティ溢れる「架空企業の実例」

「思考停止企業」とは、企業内で部門同士の情報・交流が
断絶しているような企業の事を指すそうです。
この本は、「ナレッジマネジメント」について、
架空の会社の事例に基づいて説明した本ですね。
架空の会社とはいえ、非常にリアリズムに溢れていて、
面白く読めました。
会社の長期低迷傾向に危機感を覚えた社長が、
腹心の役員一人とともに極秘にプロジェクトを立ち上げます。
社長直属のプロジェクトとして、
まずはプロジェクトメンバーを選任するのですが、選任の際には
・成績がトップの社員を引き抜こうとすると抵抗される
・プロジェクトに従事させるためには、サボることがないように
その社員の目標管理制度にしっかりと入れる
以上のような事が重要である、など非常に生々しかったですね。
私たちサラリーマンにとっては
「こういう例はあるある〜」って感じでした。
そして、各部門で「浮いてそうに見えるけど、やる気はある」
社員を集めてプロジェクトを発足させます。

目的は、「営業部門に情報システムを導入する」
という設定なのですが、
導入決定時には営業担当の役員の反発があったり、
またシステム部門から「そんな納期ではとても出来ない」
と言われたり、いざ導入しても、
営業マンが情報を追加してくれずヤキモキしたり、
とこれまたリアリティ溢れる事例が多くて、
非常に面白かったですね。「架空の会社の事例」だそうですけど、
実際の会社の実例のように思えました。
「情報システム」という形で、各セールスマンの個人資産(暗黙知
となっていた情報を、システムの中に取り込み形式知として、
誰もが参考出来るようにして、セールスの効率化と
セールスマンのレベルアップに繋がった、という
ナレッジマネジメント」の一例がよく把握出来る本だと思います。