菊花賞、ディープインパクト無敗の三冠馬に

菊花賞は圧倒的な一番人気のディープインパクト
見事に人気に応え、無敗の三冠馬となりましたね。
先週中には追いきり(最終調整)の模様が
NHKのニュースでも取り上げられるなど、
レース前から既に「三冠確実」という雰囲気があっただけに、
ここまでの関係者の心労は
並大抵のものではなかったかと思います。
まずは素直に拍手を送りたいですね。

  • 弱点の「スタートの悪さ」は克服したものの

ただ、「最後の一冠」は簡単にはいきませんでしたね。
ディープインパクトの弱点のひとつとして
「スタートが悪い」という点があります。
皐月賞・ダービーともスタートで出遅れましたが、
今まではこの不利を跳ね返して勝って来ました。
そのレースぶりから「この馬は一頭だけ抜けた力を持っている」
という伝説にも繋がって行った訳ですね。
そんな中で最後の一冠の菊花賞ディープインパクト
ゲートに先に入らなければいけない奇数枠の7枠となり、
スタートが心配されていました。

  • 逆にスタートの良さがアダになって

そんな心配をよそに、今回は一転してスタートは良かったものの、
逆にスタートが良過ぎて、先に行きたがってしまいましたね。
今回の菊花賞は距離が3000mと今まで経験したレースよりは長く、
そのため序盤はペースが遅くなり、
行きたがってしまったのでしょうね。
競馬場を2周することもあって、騎乗した武豊騎手によると
「(1周目の)4コーナーで、馬がもうすぐゴールと勘違いして
行きたがってしまった」そうですね。
道中は口を割る場面もあり、
折り合いを欠いてしまうのではないかと心配されました。
しかしそこは名手・武豊騎手がじっくりなだめていましたね。
この折り合いを欠きそうになった場面は、
単勝100円元返しの圧倒的な支持を集めましたが、
そんな実力的に抜けていると思われる馬でも、
「誰が乗っても簡単に勝てる」訳ではない、
ということを実感した場面でもありました。

  • スローペース、先行場の逃げ込みを必死に捕らえて

折り合いはようやくついたものの、
レースは先行馬に有利なスローペースとなっていました。
おまけに今回は上位人気を集めた馬が
「ディープより前で積極的な競馬をして、
せめて見せ場だけでも」という感じで
揃って前に位置していたため、
前の馬を捕えにかかる必要があります。
4コーナー手前の加速ぶりは「これがディープインパクト
というところを見せましたけど、
道中2番手から楽に先頭に立っていたアドマイヤジャパン
なかなか捕えられませんでしたね。
というか、4コーナーでの位置取りの差は、
普通の馬なら「もう絶対届かない」という感じさえありました。
武豊騎手も必死にムチを飛ばし、今までで始めて
ディープインパクトに「本気で気合を入れていました」ね。
最後は2馬身の差をつけましたけど、
ここまで書いた通り、「無敗の三冠馬」への道は、
決して平坦なものではなかったと思いました。