昨秋開業の「あおなみ線」苦戦中

  • 乗車率はなんと予想の3割以下

今日の中日新聞の(名古屋)市内版に出ていた記事ですが、
昨年秋に開通した「あおなみ線」(名古屋駅-金城ふ頭駅間)の
乗車率が、当初予想の27%と大きく低迷しているようです。
私も金城ふ頭でイベントがある時に乗りますが、
「イベントの時でも立ち客が少し出る程度では、
普段はガラガラなんだろうな」と思っていましたけど、
予想の3割にも達していないとは思いませんでした。
原因は、
・通勤客のマイカーからの切り替えが進まなかった。
・イベント客のマイカー・バスからの転換が進まなかった、
 (冬でイベントの少ない時期ではあるが)
あたりのようです。

  • 商業施設の不在、車社会の東海地方

今の金城ふ頭には、展示場(ポートメッセなごや)以外には、
商業施設がファニチャー・ドーム(=家具店)くらいしかなく、
あとは輸出用の車の一時的な置き場って感じなので、
イベントが開催されない日の集客力に関しては、
東京のお台場あたりに比べると、圧倒的に欠けています。
また、名古屋は道路も広く、加えて交通機関
比較的不便だったこともあって、車社会になってしまい
トヨタのお膝元でもありますし)、
通勤客は一旦便利な車に慣れてしまうと、
わざわざ鉄道に乗り換えたりはしないんでしょうね。
新聞にも工場勤務のおっさんの
「車なら作業着で運転できるので便利」という話が掲載されていました。

  • しかし対策案もなかなか難しいなぁ‥

しかしこんな乗車率では、建設費も償却出来ずに
累積赤字が雪だるま式に膨れ上がる事は目に見えているので、
何らかのテコ入れをすべきでしょうね。
ただ、会社としては、開業前に厳しい経営環境は認識していたようで、
・列車本数は昼間は都心部としては異例の15分間隔
・車両も当初予定の6両編成から4両編成へ
・一部駅を除いて無人駅、
と省力化に関しては既に極限まで絞っている感があります。
これを考えれば、鉄道建設という事業自体が最初から無謀だった、
という結論に達してしまいますが、
出来てしまった後でそれを論じるのも後先立たずですからねぇ‥
沿線は古くからの住宅地・工業地帯なので、再開発も難しそうですし、
やっぱ金城ふ頭に商業施設を誘致して、
集客を図るのがベストでしょうね。
ただ、沿線の荒子川公園駅近くに、既にイオン(ジャスコ)の
大規模ショッピングセンター(シネコン併設)があります。
またたとえ商業施設を作っても、駐車場をしっかり用意すれば
名古屋ならみんな車で出掛けてしまうでしょうし、難しいですなぁ‥
この不振の「あおなみ線」に加え、
先日開業した、愛知万博愛・地球博)会場への
交通手段となる「リニモ」も、万博閉幕後は沿線人口から考えても
苦戦が予想されています。あと、ニュータウン計画が予想通り進まずに、
経営的に青息吐息状態の「桃花台新交通」と、この3つの鉄道は、
今後愛知県にとって、大きな負担になりそうですなぁ‥
地方公共団体の借金は、結果的にはその地域に在住している
住民の税負担として跳ね返ってきますから‥