元祖ブルトレ「あさかぜ」、2月末で引退「さくら」も

http://www.asahi.com/national/update/1128/008.html
一昔の鉄道ファンにとっては憧れの存在であり、
「一度は乗ってみたい」と思わせたブルートレインも、
飛行機や高速バスなどの競合相手に押されて、
最近は縮小の一途を辿ってしまっていますね。
来年2月に「あさかぜ」「さくら」の2列車が廃止されるそうです。

  • 九州行きのブルトレは、新車両の投入もされず、座して死を待つのみ。

同じブルトレでも、北海道行きは「カシオペア
トワイライトエクスプレス」など豪華な設備の列車が走り、
好評を博していますが、九州行きのブルトレは、
走行が4社(JR東日本JR東海JR西日本JR九州)にまたがることもあり、
各社の足並みが揃わなかったのか、
新車両の投入等の抜本的なテコ入れが、
資金的に苦しくなっていた旧国鉄の末期から、
ここまでなされてきませんでした。
内装をリニューアルしたりしているとはいえ、
もう製造から20年以上経っている車両ですから、
外装はボコボコだったりして、古さが目立ってしまっていましたね。
これでは乗客増も期待できず、車両の寿命とともに
廃止の運命が待っているのは至極当然であり、遂にその時が来た、
ということなのでしょうな。

  • 「走るホテル」どころか、カプセルホテル以下では‥

↑の記事には、
>「あさかぜ」は日本で初めて全室冷暖房完備の個室寝台を連結するなど、
>かつては「走るホテル」と呼ばれたが、
とありますが、この「個室寝台」は、
全体のうち1〜2両程度しか連結されておらず、
残りの車両は、プライバシーの保てない、今どき時代遅れの
「開放式」と呼ばれる寝台なんですよね。
この開放式の寝台は「走るカプセルホテル」以下の設備かと思いますが、
「寝台料金」はビジネスホテル並みの6000円程度取られてしまいます。
これでは乗客にそっぽを向かれるのも当然でしょう。
鉄道ファンの私でも、そんなお金を払ってまで
乗りたいとは思いませんから(苦笑)

  • 生き残りを目指すのなら‥

このままでは、残る九州行きのブルトレはやぶさ」・「富士」
(東京―熊本・大分行き)も遅かれ早かれ廃止になるのは
間違いないかと思います。ただ、生き残りを目指すのなら、
時間的に東京―九州の移動は時間的に飛行機には敵わず、
ビジネス客の利用は期待できないため、観光客に的を絞って、
トワイライトエクスプレス」並みの豪華列車を
投入するしかないかと思います。
今後の高齢化社会の進展により、時間的に余裕があり&裕福な
高齢世代による「のんびり豪華列車の旅」というニーズは増えそうなので、
投資する価値はあるのではないかな、と思います。
行き先も、九州の有名観光地である、長崎や湯布院にすれば、
イメージ的にも良く、人気が出るのではないでしょうか。
また、今回廃止される「あさかぜ」(東京―下関)には、
近いうちに「サンライズ」型車両(出雲市・高松行きの
サンライズ出雲・瀬戸」に使用されている車両)に置き換えの上存続、
となるかと思っていましたが、記事内にあるように
JR東日本によると、「あさかぜ」の昨年度の平均乗車率は29%。
>夏休みのピーク時も33%にとどまり、東京発のブルートレインでは
>最も乗車率が悪い。
という状況では、新車両を投入する価値が無い、
と判断されてしまったのでしょうな‥