奈良・京都紀行1日目 奈良編

今日は奈良、明日は京都に出かけて来ます。
奈良のほうは、毎年行っている「正倉院展」が目的です。
開催は15日までなので、今年はまさにギリギリのタイミングに
なってしまいました‥近鉄に乗って奈良駅まで行き、
いつもの通り奈良国立博物館に向かって歩いていくと、
奈良公園名物の鹿が寄ってきますね。
近寄っても逃げようともしないところとか、人間慣れしていますな。
持参のデジカメで写真を撮ったりしました。
正倉院展のほうですが、今年は内容がもう一つだったかな、という感じです。
特に個人的に好きな仏具が少なかったのが物足りなかったな、
五重塔(小塔)の部品(残欠)が一堂にずらっと並べてありましたけど、
なんだか大きめのプラモデルを見ているみたいだし、
あまり由緒も感じられなかったし‥(^^;)
そんな中で、今年の見所の一つは、「鑑真が実は目が見えていた」
という証明になる「鑑真奉請経巻状」ですが、
今回はあらかじめ背景知識を仕入れていたので、
「なるほど、鑑真の真筆と想像されるのはこの部分なのか」と
興味深く見る事が出来ました。しかし、やっぱ背景を知らないと、
「ただのつまらない巻物だな」、
って感じになってしまったかと思います(^^;)
あとは、螺鈿の琵琶や、ガラス玉の首飾り(雑玉幡)が良かったですね。

この後は久しぶりに、高畑の新薬師寺に向かいました。
久しぶりに十二神将が見たかったのですが、
前回の訪問からもう10年ぶり位になります。
奈良公園から春日大社を経て、住宅地の中に新薬師寺はあります。
ちなみに「新」はNewではなく、霊験「あらたか」に由来するそうです。
国宝の本堂の中にある、12体の十二神将(うち11体国宝)、
恫喝するような怒りの表情とか、相変わらず迫力ありますなー。
この仏像たちのファンも結構多いようですが、
う〜む、個人的には仏像は穏やかな方が良いかな、と思ったりしています。
広隆寺弥勒菩薩像とか、そういった系統の方がお気に入りですね。
まぁ、12体というのは干支にちなんでいるので、
自分の干支の神将に親近感が沸く、というのはあるかもしれません。
ただ、1体だけ国宝ではない像があるので、
その干支の人はちと可哀想ですな(^^;)
私が来た時は、奈良公園の行楽シーズンの喧騒からは
全く別世界のようにひっそりとしていましたが、
次第に混み始めてきましたね。
黙々と写経に励んでいるおばあさんもいたりしました。

  • そして白豪寺

薬師寺から白豪寺への道のりは、のどかな住宅地の中を行きます。
観光ルートからは少し外れているかなって感じですね。
観光客ともほとんどすれ違わず、のどかな気分になります。
この時期は暑くもなく寒くもなく、すごしやすい季節ではありますね。
白豪寺は萩の寺として有名で、参道の両側に萩が生い茂っていました。
ここは眺めの良いお寺で、奈良市街が一望できます。
また、仏像的には閻魔大王像など、一風変わった仏像が安置してあり、
結構楽しめました。先ほどの十二神将といい、今日は怒りの表情の仏像に
縁がある日みたいですね(苦笑)
ここは本当に静かで、ゆっくりと拝観する事が出来ました。

このあと、はじめて奈良町・元興寺に行きました。
今まで奈良は何度となく行っていますが、
どうしても西の京(薬師寺唐招提寺)や
斑鳩法隆寺)に行く事が多く、なかなか目を向ける事はなかったので。
とはいえ元興寺世界遺産になっていることもあり、
一回は行っておきたいと思っていました。しかし、実際に入ってみると、
特別物珍しいものはなかったなぁ‥という感じです。
国宝の五重小塔があり、「今日正倉院展で見たあの部品の
最終形はこれなんだな」という事を思ったりはしましたけど、
その他には、特別見る気もなかった、
「絵の具の歴史の展示」のために拝観料が特別料金800円となっており、
ちょっとボッタクリではないか、と思えてしまったり(苦笑)
まぁ、一度行けばもう良いかな、って印象を受けた元興寺でした。
歴史は確かにあるのかもしれないですけど、
どうも個人的には納得がいかないですね。

  • 最後は奈良町散策

秋の日が暮れるのは早く、薄暗くなってきている中で、
元興寺の傍の奈良町の散策をしました。
昔ながらの町並みが残されており、プチ高山って感じでしたね。
「奈良町資料館」という建物の中に入ったりしました。
ここは「庚申講」の本拠地みたいになっているようです。
奈良町のほうはソコソコ面白かったですね、
また時間が余ったら寄ってみたい、そんな感じがしました。
帰りは猿沢池の周囲を歩き、奈良のシンボルともいえる
興福寺五重塔を眺めたりして、
1日目の奈良紀行はこのあたりで終了です。