終盤はヌデレバ選手が激しい追い上げ

その後、ラドクリフ選手の後につけていた、
エチオピアヌデレバ選手が追い上げ、2位に上がり、
スピードの落ちてきた野口選手との差を徐々に縮め始めました。
TVを見ていても、野口選手の後ろには、最初は誰も見えなかったのに、
徐々に人の影が大きくなりつつありました。
しかし、前後の差というのはTV の角度によっても左右されますね。
正面から見ると、影も大きいし
「結構差を詰められているのかな」と思いきや、
上空からのカメラ画面ではセーフティーリードのように見えるし。
また、TVで見ている私ですらこんな状況ですから、
ましてや追われる野口選手は後ろから追い上げられていることに
気づいていないのではないか、という感じでした。
追う選手にとっては、前を行く選手が次第に大きく見えてくれば、
「差を詰めているんだな」というのが実感していますけど。
TVで解説の有森さんが言っていましたけど、「自分が通り過ぎた後に、
すぐ歓声が聞こえれば、後ろの選手とはさほど差がないと解る」
位でしょうね。30秒位あった差が最後には10秒差位まで縮まり、
シドニー高橋尚子選手とシモン選手との終盤の争いを思い起こさせる
場面もありましたが、なんとか野口選手が逃げ切りました。
こういう展開なので、終盤は目が離せませんでしたね。
追うヌデレバ選手は、野口選手が2位に入って五輪への切符を手にした、
昨年の世界選手権の優勝選手でしたから。
地力的にも逆転はありうるな、という感じで。
土佐選手は5位、坂本選手は7位にそれぞれ入りました。
野口選手がゴール後医務室に運ばれたのに対して、
坂本選手は普通に笑顔でマスコミのインタビューに
応じていた場面を見て、坂本選手は今後伸びそうだな、
と思ったりもしました。
敗れはしましたけど、勝った野口選手以上に
余力は残っていそうでしたから。