「大名行列の秘密」(はてな年間100冊読書クラブ 50/100)

大名行列の秘密 (生活人新書)

大名行列の秘密 (生活人新書)

江戸時代の参勤交代に代表される大名行列
一般にはあまり知られていない内容について
解説した本ですね。大名行列といえば、
「大勢の家来を引き連れて江戸に参勤するため、
費用がかかって大名家の財政に悪影響を及ぼしたこと」や
「道中は、大井川などの川止めで日数がかかったこと」、
このあたりの内容は、学校の歴史の授業などで
基本知識になっているかと思います。
しかし、それ以外の内容については、
私は詳しくは知りませんでしたが、
この本では色々な大名行列の真実を、明らかにしていますね。
例えば、「大名行列は、国を出る時と江戸に入る時は
威厳を示すために、臨時に人を雇って列を水増ししていた」、
といった感じです。これは、財政状態が苦しい大名家が、
コスト削減とと威厳を保つこと、
「両者の狭間に立たされた末の苦肉の策」、
といったところでしょうか‥(^^;)
歴史や江戸時代に興味がある読者なら
楽しめる内容に仕上がっていると思います。

  • コストとプライドの狭間で苦しむ大名家‥(^^;)

その他、大名は皆江戸城に登場することになりますから、
江戸城下が大名行列で渋滞したそうです。
首都圏の渋滞は、江戸時代からあったのですね(笑)
一方で遅刻(遅参)は武士のプライドに関わることですから、
到着が遅れることのないように、
綿密なスケジュールを立てていたそうですね。
行程日数が増えればもちろん費用も余分にかかりますし、
宿場へのキャンセル料なども発生しています。
コストの面からも、スケジュール管理が
しっかりと求められていた、ということでしょうか。
また、貧乏な大名は、宿場の備品を
くすねたりもしていたそうですね‥(^^;)
士農工商体制の頂点に立つ武士・大名といえども、
お金はふんだんにある訳ではないので、
気苦労が多かったことが窺えますね。
また、大名行列では、殿様のために
漬物石まで運んでいたそうですね。
全くお疲れさまですとしか言いようが無いですな‥(^^;)
もっとも、大名自身は籠に乗って
楽に旅をしているかと思いきや、
狭い籠の中でじっとしている必要があります。
籠の乗り心地も良くなく、
道中は、決して楽ではなかったようですね‥(^^;)
上記のような、「大名行列の豆知識」を味わうことが出来て、
歴史全般が好きな私にとっては、楽しめた内容の本でした。