「中坊公平 私の事件簿」(はてな年間100冊読書クラブ 45/50)

中坊公平・私の事件簿 (集英社新書)

中坊公平・私の事件簿 (集英社新書)

  • 森永ヒ素ミルク事件‥飲ませた親は自分を責め続けて

豊島の産業廃棄物問題などで活躍した名弁護士・中坊公平さんが
自ら扱った主な事件をまとめた、自伝書って感じですね。
この中で印象に残った事件は、最近事件発生50年というニュースが
新聞にも掲載された、森永ヒ素ミルク事件ですね。
被害者の親が、森永乳業や国を恨むのではなく、
我が子にヒ素入りのミルクを飲ませた自分を延々と責め続けていた、
という事実は胸を打つものがありました。
被害者の親達はここまで50年間、
苦しみと共に生きてきたのだと思うと、
その心中は察するに余りありますね。
また、こういった一般市民の声に実直に耳を傾けて、
「仕事として&お金のために」という気持ちではなく、
「間違っている事を正そうとする」義憤に基づいて
行動しているところが、中坊弁護士の凄いところだと思います。

  • 豊島産業廃棄物事件

そして豊島産業廃棄物事件では、「国や県が黙っていても
住民を守ってくれるものと思ったら大間違いで、
自ら行動を起こさないと、決して守ってくれない」という
中坊氏の発言が印象に残りました。「誰かが助けてくれる」のではなく、
まず自らが行動を起こす事が大事だということですね。
「天は自ら助くる者を助く」という格言にも通じるものがありますね。
黙っていては、悪徳業者に食いものにされるだけですね、
う〜む、生き辛い時代になってしまったのかなぁ、と思います(^^;)