「「新型うつ」な人々」(はてな年間100冊読書クラブ 14/100)

「新型うつ」な人々 (日経プレミアシリーズ)

「新型うつ」な人々 (日経プレミアシリーズ)

  • 「新型うつ」を、実際の事例を元に解説

最近会社で蔓延している、「新型うつ」について、
産業カウンセラーとして実際に患者とのカウンセリングに
あたっている著者が、実例を元に解説している本ですね。
事例は会社員としてのものが全てなので、
会社員(平社員、上司含む)や人事部員向けの内容、
という感じでしょうか。「新型うつ」とは言えども、
いわゆる「最近の若者」だけに発生するものではなく、
四十代や五十代でも発症しているケースなどが
本書では報告されていますね。
上司や人事部員にとっては「新型うつへの対処方法」として、
一般社員にとっては、「新型うつにならないための予防」として、
役立つ内容に、仕上がっているのではないかと思います。

  • 治療法は、薬ではなく、「患者に適したカウンセリング」で

また、実際にあまたの患者と関わった経験から、
「新型うつ」について、なりやすい傾向などの
分析もありますね。「自己愛が強い」、「適応障害
「他者否定傾向が強い」など‥まぁ自分も、
見事にこの傾向に当てはまっているため(苦笑)、
「新型うつ」になりやすいタイプなのかな、
とも思ってしまったりもします‥
(事実、なりかけたりもしていますけど‥(^^;)
こうして実例を見ていると、「新型うつ」への対処は、
一般のうつ病の治療とは違い、薬ではなく、
「患者さんのパーソナリティや心の持ち方を理解して、
適したカウンセリングに努めること」
が最大のポイントなのかな、という感じがしました。
「組織への適応と、パーソナリティの問題」、
これを解決することが出来れば、
患者さんは自力で回復に向かうようですね。
そのようなところが、「病気ではあるような、
病気ではないような」心の問題の
センシティブなところなのかな、とも思います。