「絵で見る十字軍物語」(はてな年間100冊読書クラブ 100/100)

絵で見る十字軍物語

絵で見る十字軍物語

  • 挿絵と解説で、十字軍の通史を把握する

著者の塩野七生さんは、現在「十字軍物語」シリーズを展開中です。
本書は、その「十字軍物語」の入門編とも言える内容ですね。
「絵で見る」というタイトルの通り、
見開き2ページの左側のページに挿絵、右側のページには、
挿絵に対する塩野さんの解説文が掲載されています。
見易く解り易い構成ですね。もっとも、
挿絵は本書のオリジナルではなく、
「ドレ」という19世紀の画家さんの絵だそうですね。
本書を読み通せば、短時間で十字軍の通史が把握出来ますし、
また、「十字軍物語」本編の理解も進むものと思います。
塩野さんの文章は、読みごたえがあって魅力的ですけど、
ページ数も多いため、歴史にあまり関心が無かったりすると、
もしかして途中で挫折してしまう、
といった可能性もありますからね。

  • 本編の展開が、先に解ってしまうことにもなりますが‥

話は変わりますが、先日まで、
レンブラントの主に版画を中心とした
展覧会が開催されており、見に行きました。
展覧会で展示されていた版画は、
主に、宗教を取り扱っていることもあり、
本書の挿絵と、よく似た雰囲気がありましたね。
宗教画は、その扱うテーマが故に、
雰囲気も厳粛的な感がありますね。
閑話休題、この本の話題に戻りますが、
本編にあたる「十字軍物語」と同じ著者ですから、
本編のダイジェスト的な感もあります。
そのため、本書を先に呼んでしまうと、
「本編の結末が先に判明してしまうのはどうか」
といった意見もありそうですね。
まぁ、史実に基づいて展開される物語ですから、
「十字軍」が最終的に失敗してしまったことは、
おそらく誰もがご存知でしょうけど‥