「日本復興計画」(はてな年間100冊読書クラブ 88/100)

日本復興計画 Japan;The Road to Recovery

日本復興計画 Japan;The Road to Recovery

  • 原発の専門家でもある自分を呼ばない」という焦りから…?

評論家として著名な著者・大前研一氏が、
東日本大震災の直後にYouTubeで発表した
福島第一原発の事故の影響と、
今後の日本の復興計画について
語った内容をまとめたものですね。
大前氏は、大学で原子力を専攻し、
原子力プラントの設計に関わっていたことがあるそうです。
そのため、政府が情報を出し惜しむ状況下においても、
原発事故の詳細をしっかりと把握、分析していますね。
まぁ、個人的には、原発事故の詳細に関する内容は
難しくて正直よく理解出来ませんでしたし、
また少々退屈にも思える記述でした。
ただ、大前氏の専門性の高さは、認識することが出来ましたね。
「なぜ原発のプロでもある自分を、
政府もマスコミも呼ばないのか」という大前氏自身の焦燥が、
YouTube上での発表に、繋がったのでしょうか。
今回、大前氏がテレビで登場する機会は、
個人的には見かけませんでしたね。

  • 「復興財源は、期間限定の消費税増税で」

震災直後の発表内容であるため、
現在からすると多少違和感のある内容もありますが
(レベル7認定の箇所とか)、情報が出てこない中での分析は
さすがは原発の専門家、という感じですね。
原発以外の「日本復興」についての内容は、
「復興の財源は、期間限定の消費税増税で。
自粛ではなく、東北のために消費して盛り上がろう」と
提唱していますね。こちらも、自粛ムードは
かなり薄れつつある現在ではありますけど、
「パーッと消費すること」は、経費回復にも繋がりますし、
「復興財源は、消費税の期間限定増税」というのは
良い案のような気がします。「期間限定」、
将来5%に戻すと確約すれば、国民の支持も得られるでしょうね。
(もちろん、その確約はしっかり守ってもらいたいですが…、
今の政治家は、全くもって信用出来ないですからね…)

  • 「印税は全額寄付」だそうですけど、もともとの素材は映像ですから…

そして、長期的な視点としては「道州制の導入」を提唱しています。
この「道州制」は、大前氏の昔からの持論でもあり、
正直、東日本大震災とは関係無いですな…(笑)
まぁ、国の権限を地方に移して規制緩和を図る、
という方向性は、間違ってはいないと思いますけど。
また、本書の印税は、全額被災地支援に寄付されるそうですけど、
もともとの内容は、本(=執筆したもの)ではなく、
YouTube上で発表された映像ですからね。
一から書いたものとは違って、
手間はかかっていないかな、と思います…(笑)
そこも、寄付に至った一因でしょうか…(^^;)