「減税論 「増税やむなし」のデタラメ」(はてな年間100冊読書クラブ 83/100)

  • 減税分は、報酬削減等でまかなって

「減税」を掲げて、国政から名古屋市長に転進した著者が、
自ら実施した政策をを解説しながら、
「市民サービスを落とすことなく減税出来て
それが市民の生活の改善につながる」と
説いている本ですね。市民税を10%減税しながらも、
市長自らの給料や市会議員の報酬を減額し、
また、公的法人への丸投げを止めて
民間への委託等を実施するなどして、
減税分を、市の財政を悪化させることなく
賄っているそうですね。
まぁ、「市民税10%減税」とはいえ、
市税に占めるその割合はごく僅かであり、
「大幅なコスト削減を果たした」とまでは言えないです。
ただ、有言実行してみせたのは、価値はありますよね。
また、「減税」が果たす、市民に対する心理的な影響もありますね。
「その分消費を増やしてみよう」と思う市民が増えれば、
経済の好転にも繋がりますから。

また、著者によると「増税やむなし論」は、
借金(国債発行)を嫌う財務省により、
政治家やマスコミがコントロールされているからだ、
と主張していますね。まぁ、財務省に盾突くと
脱税等を税務調査で突っ込まれるため
政治家やマスコミも、財務省の言いなりになっているそうです。
まぁ、菅直人前首相・野田佳彦首相をはじめとして、
財務省の言いなりのまま、
増税論を主張している政治家も多いですよね。

  • 国債は、日本国にとっても財産?

ただ、著者が本書で主張している、
国債は、借金ではなく財産である」という内容は
個人的には腑に落ちませんでした。
確かに、国債を国民が持っていれば、
「国民」にとっては、国債は財産ではありますね。
しかし、日本国にとって、財産とは言えないかと‥
日本国債を日本の銀行や日本国民が買っているため、
日本の中でお金が巡回しているだけであり、
対外的に借金が増えていないのは、事実ではありますけど。
なんだか上手く誤魔化されているような感が
正直拭えませんでしたね‥