「ランドラッシュ 激化する世界農地争奪戦」(はてな年間100冊読書クラブ 77/100)

ランドラッシュ―激化する世界農地争奪戦

ランドラッシュ―激化する世界農地争奪戦

  • 「将来の食糧不足」に備えて、世界各地で「農地争奪」が

2008年頃に発生した「世界食糧危機」、
そして世界人口が増加の一途を辿る傾向は変わらない中で、
主に食料を自給出来ない各国が、将来の食糧不足に備えて、
農地の争奪を繰り広げている様子を、取材した記録ですね。
例えば、「世界の穀倉地帯」ウクライナには、
欧州や中東諸国が進出しています。極東ロシアには韓国、
アフリカには中国やインドが進出しているようです。
これらの「農地争奪」では、地元の零細農民から
半ば巻き上げるような形で農地を買収して、
地元住民との間に摩擦を生んでいるケースもあるそうです。
アフリカでは、争奪側の企業が地元政府と
さしずめ一体となって、農民から土地を
巻き上げているようなケースもあるそうですね。
巻き上げられた農民は、そのまま小作となり、
少額の報酬を貰うだけ、という感じですね。
その政府曰く「国家の発展には、企業の大資本が必要」
との意向から、企業側に協力しているようです。
もっとも、ウクライナやロシアなどの旧東側諸国では
農民達は「アル中」で耕作が出来ず、
農地は荒れ放題だったそうですが‥(^^;)

  • 日本は、いつものごとく出遅れ気味なのですが‥

日本も勿論、食糧は自給出来てはいないのですが、
「農地確保」に向けての動きは、他国に比べて鈍いようです‥
企業も政府も、スピード感は他国に負けていますな‥
日本も「農地確保」は必要だと思いますが、
農地争奪による評判の悪化等を恐れて、
今のところ政府が表立って乗り出しては、いないようです。
もっとも、ウクライナで「レベルの高い日本式農業を実践して
現地の農家とWin-Winの関係を築き、
友好的に食料を確保する」ため頑張っている
東北地方の一農家の取り組みや
農地・食糧確保の必要性を認識して
独自に行動を起こしている外務省の若手官僚など、
危機感を抱いて行動に移している日本人がいる、
という事実は、心強いものを感じたりしますね。