「レシートを捨てるバカ、ポイントを貯めるアホ」(はてな年間100冊読書クラブ 76/100)

  • 「タイトルで顧客読者を引きつける」本

ここ最近、様々な出版社から新書レーベルが
続々と立ち上げられており、乱立状態ですね。
その結果、沢山の新書の中から注目を集めようとして、
「人は見た目が9割」という本に代表されるように、
「タイトルで顧客読者の目をひきつける」
(&その割に内容が無い、内容がタイトルと離れている)
新書本が増えていますね。本書も、読者を煽るタイトルは
その戦略の一環だと思います。

  • 「企業のコストダウンの様子」は、専業主婦にはピンと来ないのでは‥?

その内容ですが、企業のバイヤーの出身である著者が、
「企業時代に経験したコストダウンの手法を、
家計に応用する」というものですね。
そのため、主に前半部分では、著者の経験を基にした
企業における、現場の最前線で行われている、
コストダウンの熾烈な様子が、紹介されていますね。
このコストダウンのノウハウが、
家計にも応用できる、と著者は主張していますね。
リーマンショックとそれ以降の不況下において、
コストダウンはどこの企業でも強化されているでしょうから、
会社勤めの人なら、イメージのつきやすい内容かと思います。
しかし、会社勤めに現在では縁の無い専業主婦の人が
「節約の参考に」と、読み始めていたとしたら、
ピンと来ないかもしれないですね。
著者は、この本を、どういう読者向けに書いたのでしょうか?
私がこの本を借りた図書館では、節約本などと同じ
「生活関連コーナー」に置かれていましたけど‥

  • 家計簿をつけている人には、無意味な内容かな‥と

本論の、「節約術」ですが、本書のタイトルにもあるとおり、
「レシートを捨てずに取っておき」、
「何にお金を使ったのかしっかり把握すること」
が大事だとしていますね。
少し前に流行った「レコーディングダイエット」の手法と同じく、
「支出を把握する」ようにすれば、無駄な支出は減るようになる、
としています。もっともこれは、「家計簿をつけずに、
給料日前にはお金がなくなってしまう」ような
「節約初心者」向けですかね。家計簿をつけているような
「節約管理レベル」の人には、意味が無い内容かなと思います。
あと、ポイントに関しては、
「ポイントカードを無くしたり、使い忘れて失効してしまったり」
するため、貯めずにすぐに使う、という感じですね。
これも当たり前の内容かと思います。

  • 時には「無駄に思える出費も必要」

もっとも、「時には無駄な出費も必要」ともしていますね。
自己啓発や読書など、その成果が見えづらいこともありますが、
こういったところは「節約するな」と説いていますね。
あまりに節約し過ぎて、吝嗇までしてお金を貯めたとしても、
人生の面白みまでも、減ってしまうことになりますからね‥
まぁ、著者が「自己啓発の過程で出版社の編集者と知り合い
その結果本を出版することが出来た」といった、
半ば自慢話のような内容が含まれているのは
少々鼻についたりもしますけど‥