「鉄道おくのほそ道紀行」(はてな年間100冊読書クラブ 73/100)

鉄道おくのほそ道紀行 週末芭蕉旅 (The New Fifties)

鉄道おくのほそ道紀行 週末芭蕉旅 (The New Fifties)

  • 奥の細道」の重要な場所を、同じ時期に訪れる」ことを目標に

松尾芭蕉の「奥の細道」を、主に鉄道でたどった旅行記ですね。
奥の細道」の行程を辿った旅行記は、
今までに沢山あると思います。著者(この本)は、
「松島などの「奥の細道」で重要な場所に、同じ時期に訪れる」
ことをモットーにしていますね。
芭蕉は当然歩き旅であり、また「奥の細道」気候では
旅先で句会を開くなど、各地で長逗留しています。
著者によると、「東京と旅先を往復して、
毎月2回くらいのペースで旅に出れば、
上記の目的が達成出来る。」としていますね。
まぁ、季節が同じでも、芭蕉の時代とは
景色は当然異なるわけですが、一つの試みではありますね。

  • 紀行文として見ると、「奥の細道」の解説は冗長かも‥

さて、本文ですが、「奥の細道」に関する説明文が
ちと長かったりして、紀行文としては
少々間延びしてしまっているかな、とも思います。
奥の細道」について、詳しくは知らない、という読者なら
有意義な内容かとは思いますが、
それなりに知識がある読者にとっては、
冗長感は、否めないところですな。

  • 紀行文が、淡々として面白みに欠けますね

また、自ら課した「同じ時期に訪れる」という制約のため、
仕事をやりくりして旅に出る苦労話が
毎回のように盛り込まれていたりするところは、
宮脇俊三氏の「時刻表2万キロ」を
思い起こさせたりもします。
しかし残念ながら‥その本文は、
宮脇氏の著作群にあるような、「面白み」には欠けていますね。
全体的に淡々としていて、インパクトに乏しい感があります。
著者は、本作を「他の著作には無いオリジナルの「奥の細道
として気合を入れて書いた」とあとがきに記していますが。。。