「おそるべし韓国企業」(はてな年間100冊読書クラブ 70/100)

おそるべし韓国企業 日本がサムスンに勝てない理由 (扶桑社新書)

おそるべし韓国企業 日本がサムスンに勝てない理由 (扶桑社新書)

  • 韓国企業の強みの一つは、「オーナーに権力が集中」

サムスンに代表される韓国企業、
その韓国企業の「強み」を分析した本ですね。
なるほど、日本企業(日本)とは、
環境面を含めて、随分違うなという感じがします。
韓国企業の強みとして、
「絶大な権力を持つオーナー経営」がありますね。
そのため、スピード決断・経営が可能になっています。
また、全従業員はカリスマオーナーに心服しており、
「上から下までベクトルが同じ方向を向いている」
ことが、強みとのことです。本書に書かれている、
リーマンショック発生時の、サムスンの対応を見ると、
その強みが存分に発揮されていることが、窺えますね。
(本社移転を一時ストップして、
全員工場に集結し、生産状況を調整する。)

  • オーナーが機能しないと、グループ全体が経営危機に

「オーナー経営」は、有能なオーナーなら
抜群に機能します。しかし、
オーナー一家が兄弟喧嘩などの内紛を始めたりして
オーナーの指導力が機能しなくなると、
現代グループのように、
「グループ全体が、たちまち危機に陥る」
ということもあるようですね。
また、一般の従業員にとっては
「40歳前後で、出世競争に敗れた人達は退社」、
「たとえ競争に勝ち残って役員になれたとしても、
実績を上げなければ、たちまちクビ」
といった感じです。最後まで勝ち残らなければ
末路は悲惨、という様子もうかがえますね‥
もちろん、サムスンなら入社時には
TOEIC 900点は当たり前」、
入社するのも一苦労、ではありますけど‥(^^;)

  • 国が、積極的に財閥を支援

もう一つの韓国(企業)の特徴として、
「政府が、大財閥を積極的に支援している」
という点があげられますね。その支援の内容は、
法人税の優遇税制」は勿論のこと、
「輸出増大のために、為替をウォン安に積極的に誘導」
「財閥グループの不振企業を公的資金で救済して、
財閥に返却」といった塩梅です。
政府と財閥がしっかりと結びつき
いわば「国策」として、財閥を支援している、
といった印象がうかがえます。
日本の経団連が「法人税率を下げろ」とか
散々吼えていて、「強欲で厚かましい奴等だなぁ」
と常々思っていました。しかし、
韓国の政府による財閥への支援ぶりと比較すれば、
日本企業は政府からの支援が少なく、
不平等な戦いを強いられている、
とも言えるでしょうか‥

  • 「FILA」は、韓国の拠点が、本家を買収

あと、ブランド「FILA」は、
ちょうど日本のセブン・イレブンと同じような感じで、
韓国の「フィラ・コリア」が、
本家イタリアの「フィラ」を買収したそうですね。
また、「フォーエバー21」は、
アメリカに移民した韓国人(=1世)が
創業したそうです。その内容は始めて知りましたね。
サムスンやLG以外にも、韓国の経済的侵略が
次第に進みつつある、といったところでしょうか‥