「コーラル城の平穏な日々 デルフィニア戦記外伝」(はてな年間100冊読書クラブ 65/100)

もう何年も前に完結した、「デルフィニア戦記」の外伝ですね。
内容は、過去発刊された画集に
収録されていたストーリー2編(うち1編は超短編)と、
本書書下ろしの新作、の実質2編、
が主な内容になっています。
何年も前に完結したシリーズながら、
普通に新作を書くことが出来る、というところは、
著者が、「デル戦」完結後も、
「デル戦」の世界観を流用した(ぉ
シリーズを最近まで続けてきた賜物、
という感じもしてしまいますね‥(笑)
「デル戦」自体は、個人的には
もう何年も前に読了したシリーズのため、
登場人物の概要とか、かなり失念してしまっており、
読んでいて最初はしっくり来なかったのですが、
読み進めていくに従って、次第に思い出して来ました(笑)
思い出して来ると、上記の、「デル戦」の世界観を
流用したシリーズ(「クラッシュ・ブレイズ」など)と違って、
「登場人物が、全員万能キャラ」ではないため、
感情移入がし易いのは、変わらないですな。
著者の一連の作品の中では、個人的には
やっぱ「デル戦」が一番だなと思います。

  • 国王の愛妾・ポーラのお休みの日には

閑話休題、本書の内容については、
画集に収録されていた物語が、「ポーラの休日」ですね。
主人公の国王・ウォルの愛妾(実質は正妻)のポーラが
お休みの一日に、街に買い物に出掛けます。
その周りでは、ポーラの警護を頼まれていた
王妃のリィ達が事件に巻き込まれることになって‥
という感じの内容でしたね。上記の通り、
ストーリーの登場人物の概要を思い出すのに
時間がかかったりしたのですが、
次第に思い出してくると、彼らが巻き起こす騒動が、
読んでいて面白くなってきますね(笑)
「デル戦」を読み通したファンなら、
この私のような感覚が、得られるのではないでしょうか。

  • 新作は、著者の一連の作品のファンなら、問題無いかと

新作は「シェラの日常」でした。
本作のメインキャスト・シェラは、
クラッシュ・ブレイズ」などにも登場していますね。
そのため、何年も前に完結した作品の「新作」とはいえ、
著者も描き易かったと思います(笑)
また、著者の作品を読み続けているファンなら、
シェラという人物には馴染みがあるでしょうから、
面白く読めるのではないでしょうか。
王妃付きの侍女・シェラ、外見は普通ですが、
実態は普通の侍女とは全然違って、
襲い来る刺客を次々に倒していく‥という感じです。
「シェラの日常は、一般人にとっては非日常」
というズレを、ベースにした作品ですな(笑)