「そうか、君は課長になったのか。」(はてな年間100冊読書クラブ 96/100)

そうか、君は課長になったのか。

そうか、君は課長になったのか。

  • 課長職は、やり甲斐のあるポジション

現在は東レ研究研究所の社長に上り詰めた著者が、
自らの課長時代を振り返って、
「課長としての心得と仕事術」を公開した本ですね。
「課長」というと、上司である部長と部下との板挟みになる
もともとしんどいポジションでもあります。
加えて最近では、採用の抑制により部下の数が減り、予算も減る中で
成果が求められる厳しい状況ですね。
そのため、最近では、昇進を拒否して
専門性を高める進路を選択する人も増えているそうですね。
しかし著者は、課長職は面白くやりがいがある、として
「架空の部下」に宛てた「手紙」形式で、本書を綴っていますね。
手紙形式なので、さくさく読み進めていくことが出来ます。
部下の信頼を得ること、部下の育成に心掛けること、
部下に仕事は任せること、上司とコミュニケーションをとること、
内容的にはあたりまえのことではありますが、
解りやすく書かれていますね。「架空の部下」と同じく、
課長になったばかりの方々にとっては、有意義な本かと思います。

  • 仕事と家庭を両立させるコツも、必要になるかと‥

1件物足りなかったこととして、
著者が課長になった年に、奥さんが病に倒れ
子供は自閉症になってしまい、
家庭が大変な状態にあったようですね。
家庭がそのような大変な状況下で、
多忙な課長職をしっかり務めていたこと、
そのあたりの仕事のコツが、
もっと記載されていたら良かったのかな、と思いました。
まぁ、手紙の宛先の「架空の部下」は、
家庭に大きな問題はないという設定ですから、
あえて触れなかったのかもしれませんが。
現実問題として、課長に昇進する年代の方々は
子供も思春期に入る、難しい年頃になりますよね。
家庭に問題を抱えるケースも、多くなるかと思いますので、
「仕事と家庭を両方切り回すコツ」は
重宝されるのではないかと思いますけど。