「七人の政治家の七つの大罪」(はてな年間100冊読書クラブ 100/100)

七人の政治家の七つの大罪

七人の政治家の七つの大罪

  • ごく最近の政治家が取り上げられていて、理解し易いですね

郵政民営化法案に反対して自民党を離党し、
現在も一匹狼の立場を貫いている、平沼赳夫さんの著書ですね。
本書で裁かれている7人の政治家は、
小泉純一郎安倍晋三福田康夫麻生太郎の各元首相と、
竹中平蔵小沢一郎各氏、そして平沼氏ご自身ですね(笑)
小泉政権以降の、ごく最近の政治家が取り上げられています。
まだ彼らの諸業績(笑)について、我々の記憶に新しいところも多く、
読み易く、理解し易い内容に仕上がっているのではないでしょうか。
個人的には、自分の認識と、それほど大きな差は無かったですね。
安倍・福田・麻生内閣、改めて振り返ってみると
非常に酷かったんだなぁ‥(笑)、という感じですね。
郵政総選挙の圧勝から一転、自民党の支持率が低下し、
政権交代に至ったのもむべなるかな、という感じですね…(^^;)
ただ、元自民党議員として、本書内で裁かれている政治家とは
近い立場にあった著者ですから、「大罪」と断罪しつつも、
「その時はこう対応すれば良かった」という感じで、
相手のことを思いやる内容に、仕上がっていますね。

  • 小泉元首相の、一種の「洗脳」

著者が自民党を離党するきっかけとなった、
郵政民営化と小泉元首相、そして小泉さんの懐刀であった
竹中さんに対しては、厳しい目を向けていますね。
やはり、アメリカからの要求を受け入れることが、
郵政民営化の背景にあったのだな‥という感じですね。
考えてみれば、小泉さんも、会社の勤務実態を追及された時に
「人生いろいろ」とか、人を食ったような発言をしていましたね。
こういった発言が取り立てて問題にならなかったのは、
マスコミがそして国民が、小泉さんに洗脳されていたのかな、
と今改めて実感したりしています。
郵政民営化法案の採決時に、
それまで民営化反対の「同志」と思っていた議員が
離反する様子の記述などは、非常に生々しいですね…(^^;)
その場にいることの出来る、議員さんならではの記述だと思います。

  • 一本筋の通っている、著者の強さ

ただの他人批判で終わっているだけではなく、
自分自身も「大罪」として自省・批判しているところが、
普通の批評家とは一味違うな、という感じですね…(^^;)
郵政民営化に反対して自民党を離党し、
郵政選挙では刺客を立てられた、
他の仲間の議員達は、選挙で落選の憂き目に遭ったり、
民営化反対の自説を曲げて、自民党に復帰したりしています。
そんな中で、著者は自説を曲げずに自民党への復帰を拒否し、
無所属という弱い立場にありながらも、
しっかりと有権者の支持を取り付けて、当選を果たしています。
著者の強さは、そんな筋の通った姿勢を貫いているところが、
有権者から評価されているのかな、と思いました。