「ヘヴンリー・ブルー「天使の卵 アナザーストーリー」(はてな年間100冊読書クラブ 18/100)
- 作者: 村山由佳
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/08/25
- メディア: 単行本
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- 「天使の卵」シリーズの新作、とまでは言えないかな‥
この本のオリジナルである
「天使の卵」、私は数年前に読みました。
主人公達の激しい恋、そして悲劇的なラスト、
私にとってはインパクトの大きい作品でした。
それ以来、村上由佳さんのファンになり
「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズに
手を出したりしています。
実兄妹のタブーな恋など、
家族の様々な恋愛模様を描いた
「星々の舟」も印象に残っていますね。
話は戻って、私にとって印象に残っている
「天使の卵」の「アナザーストーリー」だけに、
期待して読み始めました。
- 懐かしく思い出しつつも、未読の人には辛いかも‥
ただ、「アナザーストーリー」とはいえ、
本編を補う、新たなサイドストーリーではありません。
本編のストーリーをそのまま、
登場人物の一人である夏姫の視点から見た、
いわば「本編のダイジェスト版」のような感じでしたね。
本編「天使の卵」と続編の「天使の梯子」を
読了済みの私にとっては、本編を懐かしく
思い出しながらって感じで、内容は理解出来ます。
しかし、この本だけ手に取ると、
ダイジェスト版ですから、
ストーリーがなんだかよく解らないまま
進んでしまうのではないかと思います。
- 夏姫を再度フォローする、位置づけかな‥
夏姫というキャラは、「天使の卵」では、
主人公・歩太の当初の恋人でありながら
フラれてしまいます。
おまけに歩太が心移りした相手は、
夏姫の実姉である春妃‥ということで、
かなり悲惨な役割ですね‥(^^;)
ただ、続編の「天使の梯子」では、
その夏姫が過去の傷を癒して、
新しい恋人を作るまでの
いわば夏姫再生のストーリーです。
その夏姫の、「天使の卵」の時間軸内での
「報われない想い」、
「天使の梯子」の時間軸内での
戸惑いつつも恋人の思いを受け入れていく
様子が、この本では描かれていますね。
まぁシリーズのファン向けの一作かな、
という感じがしました。
この本よりも、先にオリジナルの「天使の卵」を
読むべし、という感じですね。