「介護 現場からの検証」(はてな年間100冊読書クラブ 1/100)
- 作者: 結城康博
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 新書
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- 現場を知っている著者によって書かれた、介護の実態
介護保険の実態がよく解る本ですね。
著者は現場のケアマネジャーから、
現在は研究職に転進しています。
現場をよく知っているという点で、
語るに相応しい人材である、と言えるかと思います。
事実、現場の視点に立って書かれていますね。
従って、最近ではよく知られるようになって来た、
賃金が安く、働くには厳しい介護現場の実態も
きちんと織り込まれています。
賃金が安い上に重労働の介護現場では、
離職率が当然の如く高くなっています。
そのことと関連して、現在導入が進められている、
外国人ヘルパーについても言及がありますね。
もっとも、この外国人ヘルパーについては、
誰でもなれる訳ではなく、
「日本語が出来る人」といった制限があるため、
現在のところ開放は、それほどは進んでいないようです。
- 介護保険制度により、必要なサービスが受けられなくなって‥
また、現行の介護保険制度では、
ランク付けにより給付内容が変わります。
近年始まった介護保険制度も、
政府の財政難によって始められた制度です。
従って、制度開始以前よりも給付水準が落ちるケースが多く、
その結果困惑している利用者の様子も伺えますね。
必要なサービスを受けたくても、
お金が無くて受けられないようです‥
日本は今後、高齢化社会が加速化しますから、
介護のニーズも高まるものと想像出来ます。
ニーズの高まりに応じて、
利用者に不便を感じさせない程度に、
適当なサービスを、適当な値段で
提供出来るようにしたいものですね。
このようなシビアな現実を見ると、
年老いるのが怖くなってきてしまいます‥
- 自分の体は、まず自分で守らねば‥
本書に取り上げられている事例では、介護が無いと、
日常生活すらままならない高齢者が多いそうです。
また介護する側も高齢化している「老老介護」のため、
介護する側が、体力的に参ってしまうケースも多いそうですね。
う〜ん、こういう事例を見ていると、
老後における、健康の大切さが実感できますね。
長生き出来ても、お金を沢山持っていても、
寝たきりの状態になってしまっては、
どうしようもないですね‥
最近では、介護疲れなどから、
介護者や施設の職員が被介護者を虐待するケースも
多く聞かれるようになって来ています。
また、先日問題になったコムスンのように、
モラルに欠けるような悪徳業者も登場しています。
一番大切なのは健康、自分の体はまず自分で守らねば、
という思いを一層強くしました。