「立食いソバ1杯が1000円になる日」(はてな年間100冊読書クラブ 68/100)

立食いソバ1杯が1000円になる日 (宝島社新書 272)

立食いソバ1杯が1000円になる日 (宝島社新書 272)

「立食いソバ1杯が1000円」って、
非常にセンセーショナルなタイトルですよね。
この本では、「人口が爆発的に増加している
現在の世界において、中国などの他国は
今後の穀物供給国となる中南米諸国と
友好を深めるなど、積極的に食糧確保に動いているが、
日本はその流れに乗り遅れつつある」と警告していますね。
一つの理由として、現在は毒ギョーザ事件や
メラミン入りミルクなど、中国製の食品において
問題が多発し、中国製の食品を敬遠する動きが加速化しています。
しかし、立ち食いソバなどの安価な外食産業を
支えてきたのは、安価な中国産の食品です。
「中国産の食品を使わない」という前提で
シミュレーションすると、この本のタイトルになっている
「立ち食いソバ1杯が1000円」になってしまう、
という論理の展開ですね。
また、日本は、消費者からのクレーム対応もあって
「曲がった野菜」などの、外観の判断基準が厳しくなっています。
その結果、日本への輸出はコストがかかってしまいます。
コスト増を嫌い、食品輸出国の間では、日本への輸出を、
中国などの他国に振り替える流れが出ているようですね。

  • 日本国民の食料の確保は、政府の最重要課題です

なるほど、食料の争奪戦が
世界規模で開始されている、という感じですね。
日本は食料自給率が他国に比べると非常に低く、
人間の命を支える食料の確保は、
日本の最重要課題といっても過言ではないかと思います。
輸出が止まったら、それこそ米しか食べられない
状況になってしまいますから、食品確保には、
是非とも積極的に取り組んで欲しいものですね。
日本が食料の争奪戦に出遅れている理由として、
他国とのFTA自由貿易協定)の調印が出来ていない、
ことがあるそうです。「自由貿易」なので、
輸出も輸入も自由ということになりますから、
日本側は、輸入の自由化(主に食品など)を
国内農業の保護の観点から拒んでいるのが
FTAの調印が進まない原因のようです。

  • 自給率を高め、安定的に食料を確保すること

確かにFTAの調印を進めると、
現段階では農作物の輸入が増えます。
しかし将来的に見てみると、
人口が増えている新興国からの
農作物の輸入が今まで通り確保出来るとは思えません。
(いざ食糧危機が訪れた場合には、
絶対に他国よりも自国民の飢餓の解消を優先させますよね‥)
日本政府も、まずは「食料自給率の向上」、
それが出来なければ「安定的に食料を確保すること
(確保出来る輸入先を見つけること)」
を目指していくべきだと、痛感させられました。