「御家騒動」(はてな年間100冊読書クラブ 72/50)

  • 両成敗ながらも、背けば罪は重くなります‥

江戸時代の大名家において相次いだ、御家騒動を分析した本ですね。
御家騒動といえば、大名が早世した場合のお世継ぎ問題とか、
暗愚なお殿様が乱心を起こした、
といったイメージが強かったのですが、
実際にはお殿さまだけではなく、家臣団もかなりえげつない
行状に出ていたりするんですね‥(^^;)
ただ、江戸時代の身分制重視の風習から、
家臣は大名に対する奉公が要求されますから、
騒動が発生した場合「お殿さまに背く」と、
お殿さま側に付くより重い処罰になるケースが多く、
騒動を起こしてもあまり割りには合わないですね‥(^^;)
加えて、この時代は罪状が血縁にまで及びますから、
親の所状のために子供までが切腹させられてしまう、
というのはちと気の毒って感じですね。

  • 一方で勝手な行動を起こす家臣も‥

大名本家に忠誠心が薄いと、
将軍から「幼君を守り立てるように」と命令されても従わずに、
むしろ「改易になっても構わない」という
姿勢を見せる家来たちがいたり
(後にこの大名家は実際に改易になってしまいます)
他には、江戸幕府の要人と交流がある家来筋の場合は、
その縁を嵩に取って、大名と意見が対立しても一歩も引かず、
騒動を起こしても平然としていたりしますね。
御家騒動を裁く側の幕府要人と縁があるため、
他の例とは違って死罪などの重罪には処されない)
また、御家騒動の結果取り潰される大名家については、
意外なことに外様大名は少なく、むしろ将軍家の血縁などの親藩や、
幕府内の内部の権力闘争に基づく、
譜代大名の取り潰しが多かったそうですね。